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10章 目撃証人

 ホロコーストに関するヒルバーグの標準的著作には、彼の典拠資料に関する数千の注も含まれている。そして、ヨーロッパ・ユダヤ人への迫害――すなわち、ドイツとその同盟国が発布した反ユダヤ法、強制収容所へのユダヤ人の大量移送――についての戦時中の膨大な文書資料を引用することができている。しかし、殺人ガス処刑については数頁しか割かれておらず、しかも、その記述はもっぱら目撃証人に依拠している。これは当然の結果であった。すでに指摘したように、絶滅収容所と殺人ガス室の実在を立証するような物的証拠および文書資料的証拠はまったく存在しないからである。

 すでに見てきたように、戦争直後には、火・スチーム・電気を使った大量殺戮についての目撃証言、ダッハウ、ブッヘンヴァルト、ベルゲン・ベルゼンのガス室についての目撃証言、殺されたユダヤ人の死体から製造した石鹸についての目撃証言が存在していた。ホロコースト物語の擁護者はこれらの話を思い出したくもない様子である。このような証言は、目撃証言、とくにユダヤ人の目撃証言が信憑性に欠けていることを証明しているからである。世界の目をもう一度ホロコーストにひきつける目的で、二つの見世物裁判が開かれたが、それは、ユダヤ人の目撃証人に信憑性がないことを知らしめてしまった。アメリカでは、稀代の嘘つきサイモン・ヴィーゼンタールと彼の一味が、ポーランド系の引退した工場労働者フランク・ウォーラスのことを、戦時中のドイツの強制収容所で残酷な犯罪を犯した咎で告発したために、ウォーラスに対する裁判が開かれた。ウォーラスは資財をなげうち、借金までして弁護費用を捻出しなくてはならなかった。少なくとも11名のユダヤ人の嘘つきが、ユダヤ人囚人を虐待・殺戮しているウォーラスのことを目撃したと宣誓証言した。しかし、ウォーラスは、戦時中はバイエルンの農家で農業労働者として働いていたことを証明する文書資料をドイツから手に入れた。告発は意味を失い、ウォーラスは釈放された。(Mark Weber, Simon Wiesenthal: Bogus Nazi Hunter, in: Journal of Historical Review, Volume 9, Nr. 4, Winter 1989/1990)。ウクライナ系の自動車工ジョン・デムヤンユクは、戦時中のトレブリンカ収容所での筆舌に尽くしがたい虐待行為の咎でイスラエルに送還された(もちろん、イスラエル国家は第二次世界大戦中には存在していなかったので、彼の送還は基本的な法律原則をまったく破っている)。デムヤンユク裁判では、5人のユダヤ人嘘つきが、イヴァン雷帝と呼ばれたデムヤンユクが、剣でユダヤ人女性の胸を切り落とし、サーベルで妊娠したユダヤ人女性のお腹を切り開き、破壊されたロシア軍戦車のディーゼルエンジンの排気ガスで数十万のユダヤ人を殺戮した人物であると宣誓証言した。(Hans Peter Rullmann, Der Fall Demjanjuk, Verlag fuer ganzheitliche Forschung, Vioel/Germany 1987)。

 だが、デムヤンユクはトレブリンカに行ったこともなかったのである。彼は釈放され、合衆国に帰国することができた。

 修正主義者は、アウシュヴィッツでの殺人ガス処刑が化学的・技術的理由から起りえなかったことを明らかにしてきているので、ガス室物語という嘘が立脚している目撃証言の内容を検証することは基本的に必要ではない。しかし、注目すべき事例を紹介しておきたい。

 「ガス室の目撃者」を自称する人々が一握りほど存在しているが、この嘘つき連中に対して辛辣な質問を投げつけた法律家、ジャーナリストはこの数十年間一人もいない。このために、この嘘つき連中は、正体が暴露されてしまうことを恐れることなく、裁判や記者会見を渡り歩いてきた。この状況が変わったのは、1985年にトロントで開かれた最初のツンデル裁判のときであった。スロヴァキア系ユダヤ人で、アウシュヴィッツの囚人であり、今ではカナダの大学で生物学を講じている教授ルドルフ・ヴルバが、虚偽のニュースを広めた咎でツンデルを告発した「ホロコースト記憶協会」側の証人として証言した。ヴルバは、ホロコースト物語の擁護者が招請できる最良の証人であった。彼は、同僚のスロヴァキア系ユダヤ人アルフレド・ヴェツラーと一緒に、194447日にアウシュヴィッツを逃亡し、スロヴァキアに逃れた。同年11月、ヴルバとヴェツラーが執筆した報告書が戦争難民委員会報告としてニューヨークで発表され、それはアウシュヴィッツを絶滅センターと描いていた。20年後、ヴルバはアウシュヴィッツ収容所で過ごした時期のことを本にまとめた(I cannot forgive, Bantam publishers, Toronto 1964)。彼は、この本の1013頁に、19431月にヒムラーがアウシュヴィッツ・ビルケナウを視察したときのことを記している。彼によると、新しい焼却棟Ⅱがその日にビルケナウで稼働し始め、3000名のユダヤ人をガス処刑し、焼却した、ヒムラーはこの不幸な犠牲者たちの苦悶をガス室ののぞき穴から見ていたというのである。(ヴルバが文書資料を検討していれば、ビルケナウの最初焼却棟が稼働し始めたのは19433月のことであり、ヒムラーがアウシュヴィッツ・ビルケナウを最後に訪れているのが19427月のことであること知ったであろう。また、焼却棟Ⅱのガス室といわれている部屋の広さは210㎡にすぎず、そこに3000名の犠牲者が入ったということは、1㎡当たり14名が立っていたことになり、まったく不可能であることを知ったであろう。)ツンデルの弁護人クリスティは嘘つきヴルバに次のように反対尋問している。

 

Q:あなたは彼が431月にやってきたのを目撃したのですね。

A439月ですか、431月ですか。

 

Q:本には431月とあります。

A:そうではありません。彼がやってきたのを目撃したのは427月です。そして、1943年にもう一度…

 

Q:本には、「431月」とありますが。

A:間違いです。

 

Q:間違いですって。

A:はい。

 

Q:でも、このとき彼がやってきたのを目撃したのですね。

A:彼のことを見たのはこれが初めてでした。ちょうど、今のあなたと私の距離ほど近くに、彼がいましたから。

 

Q:今の私くらいの近さでですか。

A:大体そのくらいです。

 

Q:わかりました。そして、あなたは…

A:彼は一歩前に出て、私と握手しました。

 

Q:わかりました。

A:しかし、二度目に彼のことを見たのは、以前見たことのある自動車に乗って通り過ぎていくときでした。彼は随行員とともに黒のメルセデスに乗っていました。ほんの600ヤードほどの距離から目撃しました。それが彼であるとの話を聞きました。しかし、今度は、私と握手して自己紹介したりはしませんでした。彼だったと思いますが、彼の代わりの人物だったかもしれません。さしたる違いはないのです。

 

Q:あなたは、ハインリヒ・ヒムラーがガス室のドアののぞき穴をのぞき込んでいるのを目撃したと証言しましたね。

A:いいえ、彼がのぞき穴からガス室をのぞきこんでいる現場にいたとは証言していません。この現場にいて、そのことを私に話してくれたさまざまな人々から何回も聞いた話をまとめたのです。私が目撃することができたのは、8000名のユダヤ人がクラクフから移送されていたときのことです

Q:本の中では、実際にご自分で目撃したような話となっていますが。知り合いから聞いた話であるとは書いてはありませんが。

Aこの出来事については、聞いた話です

 

Q:ここで描かれている事件は、伝聞にもとづいているというのですね。

Aはい。(Trial record of the first Zuendel trial in Toronto, 1985, p. 1244 ff)(試訳:http://www002.upp.so-net.ne.jp/revisionist/vrba_01.htm

 

 ホロコースト物語にあまり詳しくない人であれば、「ガス室には非常に多くの目撃証人がいる、その全員が嘘をついているはずがない」と考えるかもしれない。しかし、これは間違いである。ホロコースト文献を研究すれば、こうした本の中に引用されている目撃証人の数はほんの一握りであることがわかる。ヴルバはその一人である。もう一人の重要証人は、スロヴァキア系ユダヤ人フィリップ・ミューラーである。ヒルバーグは彼の標準的著作『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅』の中で少なくとも20回は、ミューラーのことを典拠資料として引用している。ミューラーは、吐き気をもよおさせるようなベスト・セラー(Sonderbehandlung, Verlag Steinhausen, Frankfurt a.M. 1979)の中で、シアン化水素ガスが充満するガス室の中でケーキを食べた(そんなことをすればすぐに死んでしまうであろう)、自分の所属する特別労務班員が「焼却壕」の死体から流れ出る煮えたぎった脂肪を追加燃料として利用した、彼と彼の仲間は燃焼を促進するために、脂肪を集め、それを死体にかけと述べている(p. 24/25; p. 207 ff)。

 このように、工業的な虐殺の咎でドイツ国民を告発する作業は、1945年以来、ヴルバやミューラーのような少数の嘘つきたちの作り話、および旧SS隊員たちの自白にもとづいている。そして、ホロコースト物語の最大の支柱は、ルドルフ・ヘス――3名のアウシュヴィッツ所長の中の初代所長――の自白であり、この自白は西側世界のあらゆる歴史教科書に引用されているほどである。しかし、ヘスが話しているのは、まったく真実ではありえないことである。例えば、彼は、250万人、194311月末までに合計300万人をガス処刑したと自白している。しかし、この数はこの期間にアウシュヴィッツに移送されてきた囚人の数よりも2倍も多い――このことは、正史派の歴史家も認めている――。また、ヘスは19416月にベウゼックとトレブリンカを訪れたと尋問官に話しているが、この二つの収容所は当時まだ存在していない。そして、誰も聞いたことのない「ヴォルゼク」絶滅収容所に言及している(Nuremberg document PS-3868)。1983年、イギリス人作家バトラーは彼の著作『死の大隊』(Arrow Books, London, p. 235 ff)の中で、19463月に、ユダヤ人軍曹バーナード・クラーク指揮下のイギリス軍拷問専門家たちがヘスから自白を引き出したかを記している。北ドイツの農家に身を隠していたヘスは、3日間にわたって激しく殴られ、眠ることも許されず、結局屈服して、拷問官がヘスの理解できない英語で書いた自白に署名したのである。

戦争直後の時期には、ドイツ人囚人に対する肉体的拷問はあたりまえのことであったが、ドイツ連邦共和国の法廷は、もっと陰険な戦略を使って、自分たちの望むような自白を「ナチ戦犯」から引き出した。ユダヤ人を殺害した咎で告発された「犯罪者」に対する裁判は数多く開かれたが、それはドイツ国民の再教育に非常に重要な役割を果たした。ドイツの第二次大戦での敗戦の結果生まれたにすぎないという欠陥に苦しんでいたドイツの「民主主義」は、民族社会主義体制の野蛮さをたえず「立証」し続けることで、その存在を正統化していたからである。こうした裁判では、小中学校の生徒たちが法廷に連れてこられて、自分たちの父親たちの犯罪に対する恥の念を詰め込まれ、民族的誇りと自尊心を破壊された。このようにして、ドイツ国民は、「ナチ戦犯」に対する裁判によって、ドイツの利益をアメリカ占領軍にまったく従属させているドイツ傀儡政権の諸政策を受け入れていったのである。これらの裁判はどの裁判も同じパターンに従っていた。はじまる前に、被告たちは人間のかたちをした野獣としてメディアの中にさらされた。目撃証言だけで十分であるとされ、犯罪を立証する物的証拠、文書資料的証拠はまったく提出されなかった。目撃証人たちは勝手気ままに嘘をつくことができた(アシャッフェンブルクでの裁判では、SSはビルケナウのガス室の中で、ガス処刑とガス処刑のあいだに自転車レースを開催していたとの証言もあった)。目撃証人たちは偽証の咎で告発されることはなかった。彼らは、弁護人たちが自分たちを困らせるような質問をしないことを知っていた。そんなことをすれば、ホロコーストの犠牲者をもう一度傷つけるのかとメディアから非難されるからである。このような状況の下で、被告たちが罪を軽くすることのできる唯一の手段は、ガス室や大量殺戮の実在自体を争点にするのではなく、自分の責任を否定すること、すべての責任を死者、失踪者、すでに判決を受けた人々に押し付けることであった。この「戦争犯罪裁判」では、「ホロコースト」正史の信憑性を争点にしたりすれば、絶望的な立場に追い込まれた。誰も信じてくれないし、その「頑迷さ」のために、刑が重くなってしまうからである。自白はこのように引き出され、ホロコーストの証拠もこのように捏造されたのである。(Wilhelm Staeglich, Der Auschwitz Mythos, Grabert Verlag, Tuebingen 1979, and Manfred Koehler's article on the value of holocaust testimonies and confessions in Ernst Gauss, Grundlagen zur Zeitgeschichte, Grabert Verlag, Tuebingen 1994, English version: Dissecting the Holocaust, Theses and Dissertation Press, Capshaw/Alabama 2000(試訳:http://www002.upp.so-net.ne.jp/revisionist/koehler_01.doc

 

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『いわゆるヒトラー一派のガス室といわゆるユダヤ人の虐殺は、同一の歴史的嘘である。この嘘のおかげで、非常に大きな政治的・金銭的詐欺行為が容認され、そのおもな受益者はイスラエル国家と国際シオニズムであり、そのおもな犠牲者はドイツ国民―その指導者ではない――とパレスチナ民族全体である。』

— ロベール・フォーリソン教授博士

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1980年代のイスラエルの戦略 この記事は1982年2月『Kivunim、A Journal for Judaism and Zionism』の第14号、冬季5742にヘブライ語で掲載されたものである。

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