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<質問06

絶滅収容所からの生存者の証言が多くあり、それらはガス室での大量殺戮について正確に記述しているのではないでしょうか?

 

<回答>

 証言に価値があるかどうかは、二つの要素にかかっています。すなわち、証言の客観的真実性と、歴史家が証言を利用するやり方です。ホロコースト正史の歴史学には、絶滅、ガス室、焼却炉の基本的な様相に関して、化学的・物理的・技術的な非合理性と内的相互矛盾に満ち溢れた虚偽の証言と、これらの証言の詐術的利用が存在しています。

 事実、プレサックは例外として[1]、ホロコースト正史派の歴史家の誰一人として、これらの証言の信憑性を検証しようとはしてきませんでした。そして、これらの証言はきわめて無批判的に受け入れられてきました。歴史家による批判は、きわめて明らかな矛盾と非合理性を切り落として、証言のつじつまを合わせること、すなわち、歴史的科学的価値のない議論を組み立てることだけに限られてきました。

 プレサックでさえもこの点を認めています。彼は、ホロコースト正史の歴史学の底の浅さを批判しているだけではなく、そのような歴史学的論理的帰結として修正主義が登場した正統性、すなわち、修正主義が目撃証言の無意味さの結果として登場したことを認めています。プレサックは、『アウシュヴィッツ:ガス室の技術と作動』の中で次のように書いています。

 

絶滅の歴史がもっぱら目撃者の話だけに依拠していたために、西側諸国では、これらの証言の比較検証にもとづく論争が起こり、その批判的姿勢の行き着くところとして、殺人ガス室の実在を純粋かつ単純に否定する人々まで登場した。証言にもとづく歴史とそれに対する修正主義的子孫は密接に結びついており、一方が他方を一般化しているにすぎないので、不毛な論争の閉ざされた枠を脱し、真実の探求にさらに進むためには、新しい歴史学的アプローチの発見が絶対に必要となる。」[2]

 

 このために、彼は、少なくとも理論的には証言の利用を拒み、本質的に文書資料の利用に集中する新しい歴史学的方法論を提起したです。

 証言問題のもう一つの基本的な側面は、戦争犯罪裁判では、検事側証人がいつも完全な免訴という特権を享受しており、弁護側戦術としての卑屈な姿勢や、弁護側の無能力によって、厳しい反対尋問にかけられなかったという事実です。厳しい反対尋問にかけられた事例は、1985年にカナダで開かれた最初のツンデル裁判での2例にすぎません。このとき、「目撃証人たち」は惨めな様相を呈してしまったので、1988年の二回目の裁判には、出廷しようとする「目撃証人」は誰もいませんでした。

 証言問題の背景を理解していただくために、いくつかの事例を紹介しましょう。詳しくは、私の著作La soluzione finale: problemi polemiche (Edizioni di Ar, 1991)を参照してください。

 ヤン・カルスキは、ベルゼクのガス室についての3人のもっとも有名な「目撃証人」の一人です(他の二人はクルト・ゲルシュタインとルドルフ・レーダーです)。彼は唯一生存している証人として、1989621日にはじめて、RAI 2放送の、ホロコーストについてのMixer Specialに出演しました。その後、これは何回か再放送されています。

 この証人カルスキは、194210月に、ベルゼクで大量殺戮が行なわれているという知らせが届いたので、収容所に忍び込んで、真実を確かめようとしたと述べています。ポーランド・レジスタンス隊員および内通した看守の助けを借りて、収容所に入り、何が起っているか目撃したというのです。彼は、1942年末に作成した報告の中で、ベルゼクのユダヤ人は、金属床の宿舎の中で電気ショックによって殺されていると述べています。しかし、1944年に出版された本の中では、ユダヤ人は石灰の詰まった貨車に載せられて、死ぬまで収容所の外に放置されたと書いています。しかし、ベルゼクについてのホロコースト正史によると、ベルゼク、トレブリンカ、ソビボルでの大量殺戮は、ディーゼル・エンジンの排気ガスを使ったガス室で行なわれたことになっており、電気ショック宿舎や死の列車の話は登場していません。だから、この目撃証言の信憑性、この証言を引用し続けている人々の良心を検証しなくてはならないのです。

 トレブリンカについての最初の「目撃証言」の一つは、ワルシャワ・ゲットーの地下組織が19421115日に亡命ポーランド政府に送った報告ですが、それは、「蒸気室」でのユダヤ人の絶滅を描いています。この話は、ニュルンベルク裁判で公式に認められてもいるのです。

 ソビボルについての初期の「目撃証言」(1946年)も少なからず空想的です。アレクサンドル・ペチェルスキによると、ガス処刑は、「屋根にあけられた穴から螺旋状に」落ちてくる「黒い重い物質」によって行なわれ、そのあと、ガス室の床が開いて、死体が地下にある貨車に直接落ちていったというのです。

 別の「目撃者」ゼルダ・メッツは塩素による窒息について述べており、「そのあと、床が自動的に開いた。死体は線路の上の貨車に落ちていき、その貨車が死体をガス室から炉に運んでいった」と付け加えています。[3]

 これらの「目撃者」にとって不幸なことに、ソビボルには焼却炉は存在していませんでしたし、「ガス室」には地下がありませんでした。

 アウシュヴィッツでの最初のガス処刑――19419月にブロック11の地下室で行なわれ、ガス室での大量絶滅への出発点となったとされている――は、まったく虚偽の証言にもとづいています。ホロコースト正史の歴史学はこの事件に数行しかさいていないのですが、私はこの重要な事件に関して190頁の著作[4]をあらわし、その中で、このことを立証しています。

 ビルケナウのガス室での大量絶滅についての最初の詳しい報告は、1944年にビルケナウを逃亡した二人のユダヤ人囚人によって書かれていますが、これもまったく虚偽です。とくに、焼却棟、死体安置室Ⅰ、「ガス室」の記述や図面は、まったく実際のものと異なっています[5]。しかし、報告者の一人ルドルフ・ヴルバは、1963年に出版された回想録[6]では、1944年の話とは矛盾したことを書いています。また、ヴルバは、目撃証言にもとづいて、1943年にヒムラーがアウシュヴィッツを訪問した事件を詳しく描いていますが[7]、この訪問もなかったことです。

 ルドルフ・ヴルバは勇気を持って(おそらく無謀でしたが)1985年のツンデル裁判に出廷しました。ツンデルの弁護人が、フォーリソンの指導の下に、上記の証言にある矛盾点を厳しく指摘したところ、ルドルフ・ヴルバは、「文学的修辞法」を使ったとうったえざるをえないところまで追い込まれたのです。[8]

 この裁判に出廷したアーノルド・フリードマンはアウシュヴィッツのガス処刑についてのもう一人の証人でした。彼は、煙突から4mの高さの炎が出ていた、炎の色から焼却された犠牲者の国籍を判断することができたと証言しました。しかし、弁護側の厳しい尋問を受けて、個人的には何も目撃していないこと、自分の知識は伝聞情報にもとづいていることを認めざるをえなくなりました。[9]

 

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[1] しかし、プレサックの検証も、間違った歴史学的・技術的前提にもとづいているので、不十分なものです。

[2] Jean-Claude Pressac, Auschwitz: Technique and Operation of the Gas Chambers, New York, 1989, p. 264.

[3] ベルゼク、トレブリンカ、ソビボルについての証言の典拠に関しては、Il mito dello sterminio ebraico, Introduzione storico-bibliografica alla storiografia revisionista, Sentinella d’Italia, Monfalcone, 1985, p. 64-65. “The Myth of the Extermination of the Jews”. The Journal of Historical Review, Fall, 1988; vol. 8 No. 3, pp. 273-276.

[4] Auschwitz, La prima gasazione, Edizioni di Ar, 1992.

[5] この点に関しては、E. Aynatのすぐれた著作Los protocolos de Auschwitz una fuente historia? Alicante, 1990と私の論文“J.C. Pressac and the War Refugee Board Report”, The Journal of Historical Review, vol. 10, No. 4, pp. 461-485.

[6] Rudolf Vrba and Alan Bestic, I Cannot Forgive. Sidgwick and Jackson and Anthony Gibbs and Phillips, 1963. The Hamlyn Marcus Collection, 1983.

[7] Idem, p. 15.

[8] 最初のツンデル裁判に関しては、M.H. Hoffman II, The Great Holocaust Trial, Institute for Historical Review, 1985. 「文学的修辞法」という証言は、ツンデル裁判記録(In the District of Ontario between her Majesty the Queen and Ernst Zundel, Toronto, January 23, 1985, vol. VII, p. 1448)。

[9] Idem, vol. II, January 11, 1985, pp. 406-408.


『いわゆるヒトラー一派のガス室といわゆるユダヤ人の虐殺は、同一の歴史的嘘である。この嘘のおかげで、非常に大きな政治的・金銭的詐欺行為が容認され、そのおもな受益者はイスラエル国家と国際シオニズムであり、そのおもな犠牲者はドイツ国民―その指導者ではない――とパレスチナ民族全体である。』

— ロベール・フォーリソン教授博士

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1980年代のイスラエルの戦略 この記事は1982年2月『Kivunim、A Journal for Judaism and Zionism』の第14号、冬季5742にヘブライ語で掲載されたものである。

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